企画展「生誕100年 石元泰博写真展」

石元泰博(1921–2012)は、対象の本質を掴み取る透徹した眼差しと、厳格な画面構成が際立つ作品によって、 国内外で高い評価を受けている高知ゆかりの写真家です。農業移民の子として米国サンフランシスコに生まれ、 少年時代を高知県高岡郡(現・土佐市)で過ごした石元は、戦後シカゴの通称「ニュー・バウハウス」 で先端的なモダンデザインの教育を受け、石元作品の根底を成す造形感覚を磨きました。その後は東京を拠点に活躍し、戦後日本において、写真界のみならず、美術、デザイン、建築にわたる芸術界全般に大きなインパクトを与えました。日本の伝統建築にモダニズムを見出した代表作〈桂離宮〉をはじめとして、都市とそこに生きる人々を見つめた〈シカゴ〉〈東京〉シリーズ、丹下健三、磯崎新ら名だたる建築家たちの作品を撮影した建築写真、同時代の著名人らを個性豊かに捉えたポートレート、密教の世界を精緻に写しとった〈両界曼荼羅〉、無常のモチーフに自らの死生観を託した〈刻(とき)〉、そしてまばゆい色彩に満ちた〈多重露光〉のカラー作品など、その生涯で手掛けた仕事は実に多彩です。高知県立美術館は、石元の約3万5千枚の写真プリント、15万枚を超えるフィルム等の作品、資料を収蔵しています。 生誕100年を記念した東京都写真美術館、 東京オペラシティアートギャラリーとの3館共同企画の集大成として開催される本展では、この世界最大の石元コレクションを中心に、 半世紀を超える写真家の軌跡を網羅的に回顧し、その色褪せない魅力に迫ります。

―写真を撮ることは生やさしいものではない。孤独な、自己との戦いの連続にほかならないのである……
(『カメラ毎日』1965 年12 月号より一部抜粋)

展覧会チラシ[PDF]
展覧会概要(プレスリリース)[PDF]
出品リスト(第1、2会場)[PDF]
出品リスト(第3会場)[PDF]

関連企画

■プレ講演会「 石元泰博の写真、 その深さと広さ」
高知県立美術館×高知 蔦屋書店×地域文化計画
講師:福士理( 東京オペラシティアートギャラリー シニア・キュレーター/石元泰博写真展共同企画者)
日時:2021(令和3)年1月12日(火)19:00- 聴講無料
場所:高知 蔦屋書店 2階( 高知市南御座6-10) 定員:20名
申込方法:「石元泰博写真展トーク申込」 の件名で、本文にお名前と人数をご記入のうえ、
地域文化計画のアドレス(event●opalh.jp)までお申し込みください。
*「●」を「@」に変えてください。

※プレ講演会中止および代替開催のお知らせ※
1月12日(火)に高知 蔦屋書店で開催を予定しておりました上記トークイベントは、新型コロナウイルス感染拡大の最新状況を考慮し、参加ご予定のみなさまには大変申し訳なく存じますが、中止といたします。
なお、福士理氏のご厚意により、今回お話しいただく予定の内容を収録し、後日、配信することといたしました。配信日時、視聴方法については、高知 蔦屋書店HP、インスタグラム等を通じて改めてお知らせいたします。
(2021年1月6日 高知県立美術館・高知 蔦屋書店・地域文化計画)

■webギャラリートーク
上記プレ講演会の代替企画として、当館SNSにてwebギャラリートーク(全11回)を随時公開します。ぜひご覧ください。(2021年2月11日)
・Twitter #石元泰博写真展webギャラリートーク
・Facebook videos プレイリスト「生誕100年 石元泰博写真展 webギャラリートーク」

■映画上映会「 ニュー・バウハウス」
2019年/アメリカ/89分
監督:アリサ・ナーミアス
出演:ラースロー・モホイ=ナジ、シビル・モホイ=ナジ、ハトゥラ・モホイ=ナジ、オラファー・エリアソン、ハンス・ウルリッヒ・オブリスト、バーバラ・カステン 他
日時:2021(令和3)年1月22日(金) ① 10:30-/② 13:30-/③ 19:30- ※開場は各30分前
場所:美術館ホール
入場料:1,000円 *当日券のみ、予約不要。 展覧会半券をお持ちの方は500円に割引。
ハンガリー出身の芸術家ラースロー・モホイ=ナジ(1895-1946)の、シカゴでのニュー・バウハウス校長時代を中心としたドキュメンタリー。石元泰博がニュー・バウハウス在学中に学友マーヴィン・E・ニューマンと制作した短編映画「ザ・チャーチ・オン・マックスウェル・ストリート」(約8分、16ミリ、1951年)もフィルムにて同時上映します。

■サタデー・レクチャー「 石元泰博のシカゴ時代」
講師:朝倉芽生(当館学芸員)
日時:2021(令和3)年2月27日(土) 14:00- 聴講無料、予約不要
定員:20名
場所:1階 講義室

生誕100年 石元泰博写真展 対談シリーズ
YouTube にて動画公開中!
写真家・石元泰博と出会い、関わり、共鳴したさまざまな人々が『 石元泰博 ―写真という思考』著者・森山明子氏(武蔵野美術大学教授)と語らいます。

生誕100年 石元泰博写真展 アーカイブページ
出品作品の一部や展示風景をご覧いただけます。

展覧会図録『石元泰博 生誕100年』[外部ページ]
平凡社/2020年
B5/304ページ
3,300円+税


[出品情報]「丹下健三と隈研吾 東京大会の建築家たち」展(パリ日本文化会館)

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