石元泰博・コレクション展「夜のシカゴ」

アメリカ合衆国イリノイ州の街、シカゴ。写真家・石元泰博は、生涯のうち何度もこの地に滞在し、その時々に応じて撮影を行いました。昼は街へ撮影に繰り出し、夜はひたすら暗室作業にいそしんだ様子から、“一日に29時間写真に向かう”と称されるほど、多くの時間を費やして写真に向き合いました。そのストイックなライフスタイルや、当時のカメラ機材の性能もあり、夜に撮影された写真はあまり知られていません。しかし、石元は夜の街にも繰り出し、その時間を謳歌する人々にもカメラを向けています。

本展では、夕暮れから夜に撮影された写真を「夜のシカゴ」として、ハロウィンのこどもたちや、ナイトクラブやカフェに集う大人たちの様子を中心に紹介します。夕暮れ時や室内など、限られた光のもと撮影された作品群は幻想的な空気に包まれ、昼間に撮影された作品とは異なる街の様子を伝えています。やわらかな電飾や車のライトがぼんやりと浮かび上がる街、日没を迎え、異世界の住人に仮装したこどもたちが繰り出すハロウィン、街の名所でもあったナイトクラブでは、ダンスやショーを楽しむ大人たちの活気など、石元が当時見つめた街の営みを、オリジナル・プリントを通して追体験いただきます。