石元泰博・コレクション展「色とことば」

《色とかたち》1980年代 ©高知県,石元泰博フォトセンター

多重露光という手法で生み出された鮮やかなカラー写真群は、石元が半世紀にわたって取り組んだシリーズです。
同じフィルムのひとコマに複数の画像を重ねて写すこの技法を使い、石元は街で見かけた色彩と、木立の有機的なフォルムや建物の直線的なラインを重ね合わせていきました。ファインダーを覗き被写体に焦点を定め、完成をイメージする通常の撮影方法とは違い、現像するまで画面の出来上がりが分からない多重露光は、色とかたちの出会いが生み出した偶然の美と言えるでしょう。これらは石元作品の代名詞とも言えるモノクロームの美しい階調の作品とは一線を画す、意外性に富んだユニークな作品群を形成しています。
石元は、2度目のシカゴ滞在である1958年から61年、このシリーズに集中的に取り組みました。「終わりのない私と色とかたちの遊び」という自身の言葉どおり、それ以降も継続的に制作され、1973年からは竹中工務店の季刊誌『アプローチ』の表紙を飾り、数冊の写真集にもまとめられています。本展では、2008年に発行された写真集『めぐりあう色とかたち』に掲載された作品を、石元自身の言葉とともに紹介します。

 

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