石元泰博・コレクション展「かたち」
石元泰博の仕事の中に、シンプルに“もの”だけを写した作品があります。線と面が作り出すかたちに、テクスチャーの要素も盛り込んだ、石元の魅力的な仕事の一つです。 石元が写真家として活動を始めた最初期のシリーズの一つに「かたち」があります。磁器、木、漆などから生まれる、日本の伝統的な品々が見せる「日本的なかたち」の特徴や質感をデザイン的に表現しました。 日本の製造業の業績が飛躍的に伸びていた70~80年代頃には、自動車メーカーやガラスメーカーの仕事にも携わりました。石元が写した車のパーツや理化学製品などは、美術作品をほうふつとさせるものです。 本展示では、石元が見出した、日本の工芸品や工業製品に表れる「様式の美」を中心にご紹介し、石元の写した「かたち」の魅力に迫ります。