センターについて

写真家・石元泰博氏(1921~2012)は、研ぎ澄まされた造形感覚と美しいモノクローム表現を特徴とする作品を長年にわたり手がけました。2012年に90歳で亡くなられましたが、変わることのない高い評価をその後も国内外で受けている、高知県ゆかりの偉大な写真家です。

高知県立美術館は、郷土を代表する重要な作家の回顧展として、2001年に「石元泰博写真展 1946―2001」展を開催しました。高知県は、本展がきっかけとなり、氏の生前から没後にかけて、プリント34,753枚、ネガフィルム約 100,000枚、ポジフィルム約50,000枚、さらに書籍・写真集、カメラ機材、交流のあった他作家作品等を含む、破格の石元コレクションを石元氏及 びご遺族より段階的にご寄贈いただきました。

氏の表現活動に関わるほとんどすべてのものを所蔵するだけでなく、併せて高知県は著作権譲渡も受けました。石元コレクションの網羅的で、総合的な価値を 高める目的のもと、高知県立美術館はシャガールと並ぶ二大コレクションに位置づけるにとどまらず、適切な環境で保存・管理し、継続的な調査・研究を行い、国内外多くの人たちに利用いただくアーカイブ活動を行うために、石元氏の誕生日にあたる2013年6月14日に、氏の名前を冠した「高知県立美術館 石元泰博フォトセンター」を発足させます。

「石元泰博フォトセンター」は、貴重な石元コレクションを社会の共有財産とするために、管理し研究する「深める」活動とともに、展覧会開催やデータベースサービスなど「広める」活動、氏の思想と作品に親しんでもらうための「つなぐ」活動など、今後多角的に活動を展開し、石元泰博という偉大な芸術家の人間 像を広く深く伝えていきます。

(参考)
石元泰博写真作品等の利活用に関するビジョン
石元泰博写真作品等の利活用に関するビジョン[PDFファイル]